「慈悲」という言葉がある。

慈悲という言葉の意味は、父と母が、子供にかける思いやりの気持ちを、そのまんま表現しているのだと教えてもらった。
慈 というのは、人を喜ばせてあげたい とか、人の喜びを自分のことのように喜ぶ気持ち という意味。
悲 というのは、人の苦しみや悲しみを、取り除いてあげたい とか、人の苦しみを自分のことのように感じる気持ち。

そして、父親というのは、子供を思うとき、「慈」の部分が強く現れ、母親というのは、「悲」の部分が強く現れる。
子供を育てていくとき、この両方の気持ちが、どちらも大事なのだそうです。
「慈父」とか「悲母」という言葉があるように、父の持分、母の持分があるんですねー。

私は、たまたま父親の持つ「慈」の部分を聞くことができたのだけど、子供の喜ぶ顔が見たい という気持ちは、例えば、子供が何かでつまづき、前へ進めないでいるとき、押し出してあげる そんな気持ちにも繋がるのだそうです。それは、子供が、目の前のことを乗り越えたときの、嬉しそうな姿を見たいというところから来るんですね。

なぜ、仏教では、慈悲という言葉を使うのか・・・。
我が子にかけるような気持ちを、今、私の目の前にいる人にも、同じようにかけることができたら、あったかい世の中になるんだろうな。